雨の日は、防災を語るチャンス

6月、梅雨の時期。雨が続くと気分がどんよりしてしまうこともありますが、実は家庭で防災について話し合う絶好のタイミングでもあります。
特に子どもにとっては、「災害」はニュースの中の遠い話に感じがち。でも、今まさに雨が降っているときなら、“自分のこと”として防災を感じてもらいやすいのです。
雨の多い季節になると、私たちの身近にある“あたりまえの風景”が、急に危険な場所に変わることがあります。特に水害は、いつ・どこで起きるか分かりません。
でも、いざというときに命を守るためには、「知っているかどうか」がとても大きな差になります。
今回は、雨の日だからこそ子どもと話しておきたい防災の基本についてまとめました。家庭でできる小さな備えが、家族を守る大きな力になります。
テレビ、スマホなどから情報を集め、危険だと感じたら明るいうちに避難することが大切です。
なぜ“雨の日”に防災の話をするの?
雨が降っているときは、防災の話を自然に始める絶好のタイミングです。
「この雨、どれくらい降ったら危ないのかな?」 「川の水、増えてきたけど大丈夫かな?」
そんな会話から、「どうやって逃げる?」「どこへ行く?」と、子どもと一緒に避難行動をイメージすることができます。
“想像できる”ことが、“行動できる”ことにつながります。
子どもでも知っておきたい水害の知識
どんな場所が危ないの?
子どもにも分かりやすく伝えたいのは、危険な場所を知っておくことです。
- 川や用水路
- 坂の下や低い土地
- 地下道や地下街
- 田んぼやアンダーパス
特に大雨のときは、「様子を見に行かない」「水たまりに近づかない」を習慣づけておきたいですね。
雨が止んでも油断は禁物
「もう雨は止んだから大丈夫」と思っても、実は危険が増すことがあります。
- 地盤が緩んで土砂崩れの恐れがある
- 雨水が集まって、あとから川が急に増水する
だからこそ、“危険は雨と同時に終わらない”ことも子どもに伝えておくと安心です。
家族で決めたい「避難の合言葉」とルール
いざという時、どうする?
避難のタイミングや場所を、家族で共有しておくことはとても大切です。
- 「避難レベル3になったら高齢の家族は避難」
- 「警報が出たらすぐに指定の避難所へ」
- 「お父さんやお母さんがいなかったら○○さんと一緒に逃げる」
家族で一つの“合言葉”やルールを決めておくと、子どもも安心して行動できます。
子どもに伝えたい「命を守る行動」
- 「お・か・し・も」のルール(押さない・駆けない・喋らない・戻らない)
- 垂直避難(高い場所への避難)
- 危険な場所へは近づかない
これらを日ごろから繰り返し話しておくことで、いざというときに自然と動ける力になります。
ハザードマップを家族で確認しよう

市町村が公開している「ハザードマップ」は、災害時にどこが危険になるか、どこに避難すべきかを事前に知ることができるとても大切な情報です。
テレビやスマホからの気象情報や自治体の発信を日ごろからチェックしておくことも重要です。特に大雨のときは、危険を感じたら迷わず、明るいうちに避難するという心構えが命を守ります。
- 自宅や学校周辺の浸水リスクを確認する
- どの道が安全で、どの場所に近づいてはいけないか
- 避難所の場所や経路を把握する
「ここが川だから、大雨が続いたらこの道は通れなくなるかもね」 「この公園は避難所だね。何かあったらここに行こうね」
子どもと一緒に地図を見ながら話すことで、防災を“自分ごと”として考える良いきっかけになります。
各自治体のホームページをご覧ください。
家庭でできる!子どもと一緒に取り組む防災

防災クイズや“ごっこ遊び”で学ぶ
「避難所ってどこにある?」「懐中電灯はどこにある?」
そんな問いかけをしながら、子どもと防災をゲーム感覚で楽しむのも効果的です。
避難リュックの中身を当てるクイズや、停電ごっこなどもおすすめです。
子どもと一緒に非常持ち出し袋を準備
持ち出し袋の中身を一緒に考えながら準備すると、子どもにも「自分ごと」として防災意識が芽生えます。
- 子ども用の飲料・おやつ
- 絵本・折り紙・お気に入りのぬいぐるみ
- 小さいライトや絆創膏
子どもにとって「これがあれば安心できる」というものを入れておくことがポイントです。
親の姿勢が子どもを守る

子どもは、大人の反応をよく見ています。雨や災害情報に慌てたり、不安な様子を見せると、子どもにもその不安が伝染します。
大人が「大丈夫、ちゃんと備えてるからね」と落ち着いて話すことで、子どもも安心できます。
防災は「怖い話」ではなく、「命を守る話」だと伝えること。 それが、防災教育の第一歩かもしれません。
まとめ|雨の日は、親子防災のチャンス!
- 雨が降っている今だからこそ、子どもと防災の話を
- ハザードマップを活用して地域の危険を可視化する
- 危険な場所、避難のルール、命を守る行動を一緒に確認
- 防災は“家族を守る思いやり”であることを伝える
いつかの“もしも”に備えることは、今日からできる「家族を守る力」。
この梅雨、ぜひ雨の音を聞きながら、親子で“防災の会話”をしてみてくださいね。