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「初心者向け」レコードを聴く方法。写真や図解でやさしく解説

目次

1.なぜ今、LPレコードが再び人気なのか?

近年、**LPレコード(アナログレコード)**が再び注目を集めています。新譜も続々とレコードでリリースされ、**世界的に生産が追いつかないほどの“アナログブーム”**が起きているのをご存知でしょうか?

このLPレコードは、塩化ビニールの板に音の波形を物理的に刻んで記録する方式で、1980年代後半までは音楽鑑賞の中心的メディアでした。しかし、その後登場したCD(Compact Disc)の利便性とデジタル音源の普及により、一度は姿を消していきます。

ところが最近になって、「アナログならではのあたたかい音」「自然で奥行きのある音質」への評価が見直され、音の良さにこだわる音楽ファンやマニアの間でLPレコードが再燃しています。実際、CDよりも自然で柔らかい音がするため、今なおLPレコードを中心にコレクションしている人も多く、数百枚、時には数千枚を所有している方もいます。


若い人(30代以前)では、レコード自体を見たことがないとか、見たことはあるけど聴いたことがないというのは、普通のようだよ。

では、LPレコードを聴くためには、どんな機材が必要で、どうやって聴くのかを解説していくね。

 

2.必要な機器

アナログプレーヤ

LPレコードから音を取り出す機器です。レコードを回転させ、レコード針からの振動を電気信号に変換します。日本製だと、YAMAHA、DENON、Audio Technica、TEAC、Techicsなどより発売されています。筆者は、RoksanのRadius3というプレーヤを使っています(イギリス製です)。このプレーヤは、25年以上使っていて、いまだに現役です。

RIAA*1カーブ

レコードには溝があり、この溝に音が刻まれています。この溝を作る際に、周波数低い音や大きい音は、振幅が大きいので、そのまま記録すると溝からはみ出してしまいます。また周波数が高い音や小さい音は、振幅が小さくノイズに紛れてしまいます。録音時間をできるだけ長くし、微細な音まで再現しようとするには、振幅の大きい音を小さくし、振幅の小さい音を大きくすればよいのです。この調整方法がRIAAカーブという規則に従って行われているのです。なので、レコードをRIAAカーブの補正をしないで聴くと、低音は弱く、高音がシャカシャカしている感じになります。

 RIAA*1:Recording Industry Association of America (アメリカレコード協会)

フォノイコライザ

フォノイコライザは、アナログレコードから取り出した電気信号を、RIAAカーブという規則にしがって復元し、CDプレーヤと同等の電圧になるように増幅する機器です。レコードプレーヤに内蔵されている機種もありますので、必ず必要というものでもありません。筆者の使っているアナログプレーヤは、フォノイコライザが付いていないタイプなので、個別のフォノイコライザを所有しています。

プリメインアンプ+スピーカ

ここから先はCDを聴くのと同じですので、単体機器(プリメインアンプ+スピーカ)

や、セットコンポの外部入力に接続すればOKです。

3.各機器の接続

信号の流れとしては以下のようになります。

 レコードプレーヤフォノイコライザプリメインアンプスピーカ

 各機器を接続するケーブルは、以下のように専用のものを使います。

信号の流れとしては以下のようになります。

1. レコードプレーヤ→フォノイコライザ→プリメインアンプ→スピーカ

 各機器を接続するケーブルは、以下のように専用のものを使います。

これはオルトフォンの6NX-TSW 1010 というケーブルです。

2.フォノイコライザ、プリメインアンプ

 ラインケーブルを使います。ピンケーブルとかRCAケーブルとかいうこともあります。

端子は以下です。

これは、Audio Technica の AT6A48 というケーブルです。このケーブルは、接続の向きが▲印で示してあるのでわかりやすいです。ケーブル関係はまた別のところで話します。

 また、ケーブルには接続の向きがあるといわれます。フォノケーブルの場合は、端子が違うので必然的に決まりますが、ラインケーブル、スピーカケーブルの場合は、どちらで繋げるので注意が必要です。見方としては、以下の例でいうとAが信号の上流、Xが信号の下流になります。小さい変化ですが、すべてのケーブルの向きを揃えておくと音質の向上が期待できますので、ぜひ試してみてください。

4.回転数について

 現在市販されているレコードプレーヤの回転数は、45rpm*2、33 1/3rpmの2種類で、LPレコードでほとんどが 33 1/3rpmです。一部の高音質版LPレコードで45rpmというのもあります。通常は、スイッチやボタンで切り替えられるので、LPレコード合わせて選択してください。

 rpm*2:rotation per minute の略。1分間あたりの回転数のこと。数字が大きいほど回転が速い。

5.まとめ

 今回は、LPレコードの魅力とその聴き方についてご紹介しました。
アナログ再生にはプレーヤーやアンプなどの機材が必要ではありますが、その音質は非常に豊かで、CDとはまた違った“音楽の味わい”を楽しむことができます。

最近では、入門者向けの手頃なプレーヤーも多く登場しており、思ったよりも気軽に始められるのも嬉しいポイントです。

ぜひ一度、LPレコードで音楽を聴いてみてください。針を落とす瞬間のわくわく感、ジャケットを手に取る楽しさ、そしてアナログならではの“ぬくもりある音”が、あなたの音楽体験をより深くしてくれるはずです。



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