約30年の大のオーディオマニア。音楽の音質にこだわった、自作での満足の設置方法を紹介します。ぜひ試してみてください。
1. はじめに
いわゆるオーディオ機器というのは、買ってきて置いたらすぐに最高の性能を発揮するかというと、そうでもありません。
特にスピーカは音の出口で、部屋の環境などが影響し、どんな置き方をするかで出てくる音は大きく違ってきます。そこで、スピーカの設置の方法を解説したいと思います。
2. スピーカのセッティングとは
「1.はじめに」にも書いたように。スピーカのセッティングとは、部屋のなかで、どこに、どのように置くのがよいかを決める作業です。この置き方によって出てくる音は大きく変わりますから、最初にしっかりとやっておくのがよいです。
3. 基本的なセッティングの方法
3-1.音について
ご存じのとおり、音は波で、300m/sの速さで空気中を伝わります。非常に高速ですが、オーディオ用スピーカは左右2つあり、それぞれのスピーカから出てくる音に対して、人間の耳には、距離の違いによるわずかな時間の差も感知してしまいます。
したがって、リスニングポイントからスピーカまでの距離が非常に重要です。また、音の特性として、周波数が高い音(高域の音)は、指向性が強く、反対に周波数の低い音(中低域の音)は、指向性が弱くなります。これは、高域の音は広がり難く、中低域の音は広がりやすいということです。これらのことを考慮してスピーカの位置決め、角度決めを行っていきます。
今回、筆者がスピーカスタンドを自作したので、その後の調整を例にして説明していきます。
3-2,スピーカの位置調整
- リスニングポイントを決める
まず、音楽を聴くときに、自分がいる場所(リスニングポイント)を決めます。筆者の場合は、部屋中央の一人掛けのソファーになります。
- 部屋のどこに置くか決める
次に、スピーカを部屋のどこに置くか決めます。実用上、部屋の隅とか壁際になると思いますが、リスニングポイントとの位置関係を確認しながら決めてください。この時、左右のスピーカの周辺環境(壁との距離とか)は、可能な限り同等になるようにするとより良いです。
今回スピーカスタンドを自作し、手持ちのビクターSX-A103専用に高さや天板、底板を選んで、設計、作成しました。DIYに関しては別のところで話したいと思います。
スピーカの高さに関して、少し書いておきます。
3-1で書きましたように、高音域は指向性が強く、中低音域は指向性が弱くなります。これは高音域の音は、リスニングポイントから少しでもずれると、聞き取りにくくなるということを意味します。なので、スピーカで高音域を担当するツイータと耳の高さを同じくらいにしておくとこが大事です。
3.スピーカとリスニングポイントとの距離を調整する
だいたいの設置場所が決まったら、図1に示すようにリスニングポイントとスピーカの距離「d」を調整していきます。リスニングポイントとスピーカの距離を測るのですが、筆者の場合は、かれこれ20年以上前に大阪のオーディオ専門店「逸品館」で購入したレーザーセッターというツールを使っています。
写真のようなツールですが、正面中央にレーザーポインターが取り付けられており、このレーザー光で距離を測る場所を指定して、そこからでている木綿の糸で距離を測るというものです。
これで比較的簡単に距離dと角度θをベターな位置に調整することができます。2で書きましたように、スピーカからリスニングポイントまでの距離を左右で同じになるように調整していきます。
この段階で、一度CDなどを鳴らしてみて状態を確認してください。これで満足であれば、調整完了、もう少し追い込みたいときは、微調をするとよいでしょう。
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4. 微調整をする
(3)でかなりいい状態に設定できていると思いますが、さらに追い込むために、少しずつスピーカを動かして、さらに良い音がする場所を探します。ただし、あまり大きく動かすと、(3)でせっかく調整したd 、θが崩れてしまうので、あくまでも微調の範囲で行います。
4. まとめ
オーディオ用スピーカのセッティング方法を紹介しました。スピーカの位置決めで大事なことは、リスニングポイントとスピーカと距離を可能な限り同じすることです。闇雲に触ってもなかなかゴールには到達しないので、上記原則でやってみてください。
最近は、レーザー距離計なるものが比較的安価で出ているようなので、それを近いうちに試してみようと思います。