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在宅介護の食事が大変なあなたへ  宅配介護食という選択肢【要介護5・FP2級の実体験】

毎日の食事づくりに、心が折れそうになっていませんか。

私の母は要介護5でした。水分も受けつけにくくなる、その最後のときまで、それでも母は「何か食べたい」という気持ちを持ち続けた人でした。

ほぼ全介助で、食事も「ただ作ればいい」わけにはいきません。やわらかく刻み、とろみをつけ、栄養を考え、むせないように見守る——。1日3回、それが続きました。

正直に言います。在宅介護でいちばん消耗したのも、最後まで心を込めたのも、食事でした。

この記事では、FP2級として家計を管理しながら在宅介護をしてきた私が、在宅介護の食事の大変さと、「宅配介護食」という選択肢について、実体験を交えて正直にお伝えします。同じように悩む方が、少しでもラクになれたら嬉しいです。

※食事の形態(やわらかさ・とろみ)は、ご本人の噛む力・飲み込む力によって適切なものが異なります。誤嚥(ごえん)は誤嚥性肺炎の原因にもなります。必ずかかりつけ医・歯科医師・言語聴覚士(ST)・管理栄養士・ケアマネジャーに相談のうえで判断してください。本記事は実体験にもとづく一般的な情報であり、医療的なアドバイスではありません。

目次

在宅介護の食事は、なぜこんなに大変なのか

介護をしていない人には、なかなか伝わりにくい部分かもしれません。私が実際に「これはきつい」と感じた理由は、大きく3つあります。

1. 「むせさせてはいけない」という緊張感
飲み込む力が弱くなると、ふつうの食事は誤嚥のリスクになります。一口ごとに「大丈夫かな」と見守る——この緊張が、毎食つきまといます。

2. 栄養が足りているか、いつも不安
食べる量が減ると、低栄養や脱水が心配になります。やわらかくすると味が薄くなりがちで、食欲も落ちる。「ちゃんと食べてもらえているか」が常に頭から離れませんでした。

3. とにかく、手間と時間がかかる
家族の食事を作り、それとは別に母用に刻んで、つぶして、とろみをつける。自分の食事は立ったまま5分、ということも珍しくありませんでした。

実際、数日前まで噛めていたものが、ある日もう噛めなくなる——その変化の速さに、私は何度も戸惑いました。(そのときの様子は、のちほど詳しくお話しします)

同じように感じている方は、決してあなただけではありません。

まず知っておきたい|介護食の種類(きざみ食・ソフト食・ミキサー食・ムース食)

「介護食」とひと口に言っても、噛む力・飲み込む力によって適した形態は変わります。ここを知っておくと、手作りでも宅配でも選びやすくなります。

食事形態どんな状態の人向け?特徴
きざみ食噛む力は弱いが飲み込みは比較的できる食材を細かく刻む。むせやすい人には不向きな場合も
ソフト食噛む力・飲み込む力が低下舌や歯ぐきでつぶせるやわらかさ。形は残す
ミキサー食噛むのが難しいミキサーでなめらかに。とろみをつけて誤嚥を防ぐ
ムース食噛む・飲み込む力がかなり低下なめらかに固めて、見た目も料理に近づけたもの
嚥下食(えんげしょく)飲み込む力が大きく低下専門的な調整が必要。医療職に要相談

どの形態が合うかは自己判断せず、必ず専門職に相談してください。合わない形態は誤嚥につながります。

あわせて読みたい →「要介護5の母を在宅介護している理由|FP主婦が感じたメリットとデメリット

母が最後まで食べてくれた「茶碗蒸し」|食事の形は、少しずつ変わっていく

ここからは、我が家の実際の話をさせてください。

母とは、最後まで自宅で一緒に過ごしました。水分も受けつけにくくなってからも、「何か食べたい」という気持ちを持ち続けた人でした。

ただ、歯が悪く、噛む力はだんだん弱くなっていきます。数日前まで噛めていたものが、気づけばもう噛めない。 その変化に合わせて、私は食事の形を少しずつ変えていきました。

  • はじめは、ふつうの食事を歯ぐきでつぶせるくらいのやわらかさ
  • やがて、噛まなくてもいい流動食のようなもの

そんな中で、母がいちばん好んで食べてくれたのが、茶碗蒸しでした。卵は良質なたんぱく質で栄養価が高く、つるんとなめらかで飲み込みやすい。だから私は、いつも作り置きをしていました。

最初は、椎茸や蒲鉾、ほうれん草も入れていました。けれど具材が飲み込みにくくなってくると、食べさせる前に一つひとつ取り除くように。そして最後は、その手間もいらないよう——卵だけの、具のない茶碗蒸しにしました。

なんてことのない、シンプルな茶碗蒸し。それでも母は、最後まで口を開けてくれました。

※卵アレルギーがある場合は使えません。また、飲み込む力は人によって大きく違います。とろみの要否も含め、必ず医師・歯科医師・言語聴覚士・管理栄養士にご相談ください。

「何を食べさせればいいのかわからない」と悩んだとき。茶碗蒸しのように、なめらかで・栄養があって・具で固さを調整できるものから試してみるのは、ひとつの方法だと思います。

手作りの介護食でラクにする工夫と、その限界

私も最初は「全部手作りで頑張る」つもりでした。実際にやって役立った工夫をお伝えします。

  • とろみ調整剤を常備する:汁物やお茶にむせる人には必須。少量で素早くとろみがつき、誤嚥対策の心強い味方でした。
  • やわらか食材を選ぶ:白身魚、ひき肉、繊維の少ない野菜、豆腐、卵など。下ごしらえがぐっとラクになります。
  • 市販のレトルト介護食をベースに使う:ゼロから作らず、市販品に一品足す。これだけで気持ちがずいぶん軽くなりました。

そして、どうしても作れない日もあります。そんな日、私は無理をしませんでした。

お店で買ったレトルトパウチのやわらか食品や、少量で栄養が摂れる高カロリーのおやつ。そして果物のゼリーや、みかんの缶詰。これらに、何度も助けられました。

特に缶詰は、季節で店頭に並ばない果物も手に入ります。母が食べたがったものを、いつでも用意できる——その安心感は、思っていた以上に大きなものでした。

ただ——正直に言うと、工夫しても「毎日・毎食」を一人で続けるのは、想像以上に消耗します。 体調を崩した日、急な通院が入った日。「今日はもう作れない」という日が、必ず来ます。

そんなときの逃げ道を用意しておくことが、在宅介護を長く続けるコツだと、私は身をもって学びました。

在宅介護の食事をラクにする「宅配介護食」という選択肢

その逃げ道のひとつが、宅配介護食(介護食の宅配弁当)です。冷凍で届き、レンジで温めるだけ。やわらかさの段階や、塩分・たんぱく・カロリーを調整したコースが選べます。

宅配介護食のメリット

  • 作る負担がゼロになる日を作れる:これがいちばん大きい。介護者が倒れないための「休息日」になります。
  • やわらかさを段階で選べる:ソフト食・ムース食など、本人の状態に合わせやすい。
  • 栄養バランスを管理栄養士が設計:「足りているか」の不安が減ります。
  • 塩分・たんぱく制限などにも対応:持病がある場合も選びやすい。

知っておきたい注意点(正直に)

  • 手作りより1食あたりの費用はかかる(後述のFP視点で詳しく)
  • 本人の好み・形態に合うかは試してみないとわからない → まずはお試しセットで少量から
  • 冷凍庫のスペースが必要

宅配介護食を使えたら自分自身も楽になるのだけど・・・と何度も思いました。しかし数回使ってみて母の食欲が落ちたことや母が宅配を希望しなかったこともあり手作りと市販品で乗り切っていました。

宅配介護食の選び方|5つのチェックポイント

サービスを比べるとき、私が「ここを見るといい」と思うポイントです。

  1. やわらかさの段階が選べるか(本人の噛む力・飲み込む力に合うか)
  2. 塩分・たんぱく・カロリーの調整食があるか(持病への対応)
  3. お試しセットがあるか(いきなり定期契約しない。少量で口に合うか確認)
  4. 1食あたりの価格と送料(続けられる金額か)
  5. 管理栄養士などに相談できるか(不安なときに聞ける安心感)

【比較】在宅介護で使いやすい宅配介護食サービス

代表的なサービスを、タイプ別に正直に紹介します。気になるものは、まず公式サイトのお試しセットから始めるのがおすすめです。

▶ とにかくコスパよく続けたいなら|まごころケア食
1食あたりが安く、続けやすいのが魅力。噛む力が弱った方向けの「ムース食」もあり、糖質・塩分・たんぱく・カロリーの制限食もそろっています。「まずは宅配を試したい」入口に向いています。


▶ やわらかさを段階で選びたい・相談したいなら|ウェルネスダイニング(やわらかダイニング)
やわらかさが3段階(ちょっとやわらか/かなりやわらか/ムースやわらか)。管理栄養士に無料相談できるのが心強い。「本人の状態に合うか不安」という方に。

▶ 実績と安定感を重視するなら|食宅便
日清医療食品が手がける、メニュー数が豊富なサービス。やわらかい食事のコースもあり、バリエーションを変えたい方に向いています。

持病の制限食や嚥下食にも対応したいなら|メディカルフードサービス(MFS)
糖尿病・腎臓病・高血圧などの制限食から、きざみ食・ムース食といったやわらかい介護食まで対応。栄養価を徹底管理した宅配食で、病院や介護施設でも使われている安心感があります。

300箇所以上の病院や介護施設でもご利用あり【メディカルフードサービス】


介護にかかるお金の話は、こちらも参考に →「福祉用具レンタルの費用はいくら?要介護5の母の実例

FPの視点|手作りと宅配、本当に「高い」のはどっち?

「宅配は高い」と思われがちですが、FPとして家計を見てきた立場から、ひとつ問いかけたいことがあります。

手作りには、見えないコストがあります。

  • 食材費・光熱費(少量を毎回作るのは意外と割高)
  • 何より、介護者の時間と体力

仮に1食を作るのに買い出し・調理・片付けで30分かかるとして、1日3食×365日で…と考えると、その時間の大きさに気づきます。介護者が体を壊して共倒れになれば、それこそ最も高くつきます。

私の結論はこうです。
「毎日全部を宅配にする」必要はありません。 でも、週に数回でも宅配に頼って休む日を作ることは、家計にとっても、あなた自身の健康にとっても、十分に合理的な投資です。

完璧に手作りを続けることより、介護を長く続けられることのほうが、ずっと大切ですから。

よくある質問(FAQ)

Q. 宅配介護食は介護保険で安くなりますか?
A. 宅配の食事そのものは原則として介護保険の対象外で、全額自己負担です。ただし自治体によっては高齢者向けの配食サービス助成がある場合があります。お住まいの市区町村やケアマネジャーに確認してみてください。

Q. むせやすい母でも食べられますか?
A. ムース食やなめらかな形態を選べるサービスもありますが、合う形態は人それぞれです。必ず医師・言語聴覚士・管理栄養士に相談し、まずはお試しセットで少量から確認してください。

Q. 手作りと宅配、どう使い分ければいい?
A. 「全部どちらか」にしなくて大丈夫です。元気な日は手作り、しんどい日は宅配、というように併用するのが、いちばん長続きします。市販のレトルト介護食を組み合わせるのもおすすめです。

まとめ|「頑張りすぎない」が、在宅介護を続けるコツ

在宅介護の食事は、本当に大変です。私自身、いちばん消耗したのが食事でした。

だからこそ伝えたいのは、全部を一人で抱え込まないでほしいということ。とろみ調整剤や市販のレトルト介護食、そして宅配介護食——使えるものは、どんどん使っていいんです。

「手を抜く」のではなく、「長く続けるために頼る」。それが、介護する人もされる人も、笑顔でいられる秘訣だと思います。

母が最後まで口を開けてくれた、あの茶碗蒸しのことを、私はずっと忘れません。あなたと、あなたの大切な人の食卓にも、穏やかな時間が続きますように。

まずは気になる宅配介護食のお試しセットから、無理のない一歩を踏み出してみてくださいね。

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