「お金は銀行に預けておけば安心」――そんな常識が通用しにくい時代になりました。物価が上がり、寿命は延び、働き方も多様化。
貯金は大切ですが、貯金だけではお金の価値を守れない場面が増えています。この記事では、高校生にも分かる言葉で、なぜ今“投資”が必要なのかを専門的な視点も交えつつ解説します。

理由① インフレで「同じ1万円」の価値が減る
インフレ(物価上昇)が続くと、同じ1万円で買える量が減ります。
一方で、預金の利息はごくわずかであることが多く、物価の伸びに預金の増え方が追いつかないことがあります。
専門ポイント:実質金利 = 名目金利 − 物価上昇率。
例)名目金利が1%、物価上昇率が3%なら、実質金利は−2%(お金の「実質的な力」が目減り)。
理由② 人生100年時代、必要なお金は長期化
平均寿命は男女ともに80歳前後〜後半。定年後の生活が20〜30年に及ぶことも珍しくありません。公的年金だけで全てを賄うのは難しい場合があり、長期で計画的に資産を育てる必要があります。
- 長生きリスク(資金が先に尽きるリスク)に備える
- 時間を味方にする「長期」の力を使う

理由③ 収入が不安定な時代、収入源を分散する
終身雇用や年功序列の弱まり、転職・副業の一般化などで、働く収入は変動しやすくなっています。
投資は「お金にも働いてもらう」仕組みをつくること。労働収入だけに依存しない体制づくりが将来の安心につながります。
イメージ:
「給料」=自分が働いて得る収入/「投資」=お金が働いて生む収入
理由④ 国の制度が資産形成を後押ししている
NISA や iDeCo など、投資の利益にかかる税金を軽減する制度が整っています。
これは「貯金から投資へ」という社会全体の流れを後押しするもの。普通の家庭でも使える仕組みが整ってきました。(NISAでは税金はかかりませんが、特定口座では20.315%の税金がかかります。)

投資=ギャンブルではない(やり方が違う)
短期で当てる「投機」と、長期・分散・積立でコツコツ増やす「投資」は別物です。
- 長期:時間をかけて市場の成長を取り込む
- 分散:投資先を分けて上下のブレを小さくする
- 積立:定期的に同額を買い、価格変動リスクをならす(ドルコスト平均法)
世界経済は長い目で見ると成長してきました。短期の上下に振り回されず、仕組みで続けるのがポイントです。

まず何をすればいい?(高校生向けの第一歩)
- 言葉を知る:インフレ・実質金利・分散投資・リスク/リターンの意味を押さえる
- お金の流れに関心を持つ:ニュースの物価や金利に注目する
- 少額の「模擬投資」から:仮想ポートフォリオで毎月いくら積み立てるか記録してみる
- 18歳以降:制度(NISA 等)を理解して、無理のない範囲で長期・分散・積立を検討
用語ミニ辞典
- インフレ:物価が上がること。お金の価値は相対的に下がる。
- 実質金利:名目金利から物価上昇率を引いた値。お金の「実力」を測る指標。
- 分散投資:投資先を分けて、特定の値下がりの影響を小さくする方法。
まとめ

インフレ、長寿化、収入の不安定化――この3つの理由から、投資は「贅沢」ではなく生活防衛と将来設計のための必須スキルになりつつあります。
高校生の今は、まず仕組みを理解することから。18歳以降は制度を活用し、長期・分散・積立でコツコツ続ける――それがこれからのスタンダードです。
※本記事は特定商品の推奨ではありません。投資は価格変動・元本割れ等のリスクがあります。制度や数値は変更される場合があるため、最新情報は公式情報でご確認ください。
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