60歳になったらiDeCoはどう受け取る?意外と知らない出口戦略の落とし穴
「iDeCoは節税になる」「老後資金づくりに最適」とよく言われますが、受け取るときにも税金がかかる可能性があること、ご存知ですか?
実は、せっかくコツコツ積み立てたiDeCoも、「どう受け取るか(=出口戦略)」次第で、手取りが大きく変わってしまいます。
でもご安心ください。
退職金がない方、すでに退職金を受け取った方には、むしろチャンスがあります。
私も早期退職ですので、退職金をすでに受け取りました。なのでiDeCoの出口戦略はとても気になります。
税金を最小限に抑えられる出口戦略を、わかりやすく解説していきます。
iDeCoの出口戦略とは?基本の受け取り方3つ
iDeCoの受け取り方は、大きく分けて以下の3通りです。
① 一時金として受け取る
→ 全額をまとめて一括で受け取る方法です。
→ 退職所得控除が適用されます。
② 年金として受け取る
→ 毎年(または毎月)少しずつ受け取る方法です。
→ 公的年金等控除が適用されます。
③ 一部を一時金+一部を年金(併用)
→ それぞれの控除枠を使い分ける戦略も可能です。
→ 条件を満たせば両方のメリットを活かせます。
退職金がない人は「一時金受け取り」が有利?
iDeCoを一括で受け取ると、「退職所得」として扱われます。
ここで活躍するのが 退職所得控除 です。
実はこの控除、退職金がなかった方ほど使いやすいんです。
● 退職所得控除の計算方法
- 加入年数が20年以下:
40万円 × 加入年数 - 加入年数が20年を超える:
800万円+70万円 ×(加入年数 − 20年)
たとえば、iDeCoに15年加入していた場合、
→ 40万円 × 15年 = 600万円まで非課税になります。
つまり、600万円までの一時金であれば税金ゼロで受け取れるということです。

年金として受け取るとどうなる?
年金形式で受け取った場合は「雑所得」となり、公的年金等控除が適用されます。
【参考:公的年金等控除(65歳以上)】
- 年金収入が110万円以下であれば非課税
- 年金収入が多いと課税対象になる
つまり、他の年金(厚生年金や国民年金など)との合算で控除を超えると課税されるという点に注意が必要です。
一括 vs 年金?どちらが得かを見極める方法
では「一括受け取り」と「年金受け取り」、どちらが得なのか?
ポイントは3つです。
- 控除枠を使い切れるか?
→ 退職金がなければ一時金の控除をフルに活用できる。 - 他の年金や収入との兼ね合いは?
→ 年金として受け取る場合、公的年金等控除を超えると課税される。 - 受け取る時期の調整ができるか?
→ 退職所得として受け取る場合、税務署へ「退職所得の受給に関する申告書」を提出すると源泉徴収を回避できます。

具体的な出口戦略シミュレーション【例あり】
◆ ケース①:iDeCo加入15年、退職金なし、積立額600万円
→ 一時金で600万円受け取れば、
退職所得控除600万円がそのまま使える=税金ゼロ!
◆ ケース②:年金形式で月5万円 × 年12回=年間60万円
→ 他の年金が少なければ、公的年金等控除(110万円)内に収まり、
非課税のまま受け取れる可能性も!
まとめ|出口戦略を制する者が、iDeCoを制す!
- iDeCoの受け取りには「税金」が関わる
- 退職金がない場合は、退職所得控除をフルに使える
- 一時金 or 年金、どちらが自分に有利かはシミュレーション次第
- 正しい戦略を立てれば、非課税で受け取ることも可能!
老後の資金をしっかり確保するためにも、「受け取り方」まで考えておくことが、賢いiDeCo活用の秘訣です。
