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「おこづかいはいつから?いくら?どうやって渡す?」子供の金融教育

「おこづかいって、いつから渡せばいいんだろう?」
「金額は?毎月?ごほうび?どうしたらいいの?」

子どもが小学生になる頃、親として一度はぶつかる“おこづかい問題”。
家庭によって考え方はさまざまで、正解がないからこそ悩ましいテーマです。

実は私自身、小さい頃はおこづかいをもらえる家庭ではありませんでした。
そのかわり、おつかいに行った時に「お釣りで好きな駄菓子を1つ買っていいよ」と言われたことが、当時の私にはとてもうれしくて。
ほしい物を我慢したり、工夫したり、時には泣いたりしながら、少しずつ“お金の使い方”を学んでいったように思います。

今は自分が親となり、子どもには「何不自由なく与えてあげられる環境」があります。
それでも、「お金のありがたみ」や「選ぶ力」は、経験を通してしか身につかないもの。
だからこそ、今の子どもたちにこそ**“おこづかいを通して学んでほしいこと”**があるのです。

今回は、おこづかいを通じて子どもに伝えたい金銭感覚の育て方を
・いつから?
・いくら?
・どうやって渡す?
という3つの視点から、わが家の体験も交えてご紹介していきます。

目次

1. おこづかいはいつから始めればいい?

おこづかいを始めるタイミングに「絶対の正解」はありませんが、
一般的には小学校に入学する前後(6〜7歳)でスタートする家庭が多いようです。

理由はシンプルで、
✅ 数の概念がある程度わかってくる
✅ お金と物の交換を理解できる
✅「買いたい」という気持ちが育ってくる
という時期だからです。


● 年齢より「その子の理解力」が大切

お金を渡すこと自体が目的ではなく、
お金=価値あるもの」と理解し、考えて使えるかが大事なポイントです。

たとえば、うちの子の場合──
小1の頃、お祭りに行くときに500円を渡して「自分で使っていいよ」と言ったことがありました。
最初は目をキラキラさせていたものの、いざ買い物となると「全部買いたい!」と混乱。
最後は「どれも諦めきれない…」と泣きそうに…。

でも、この経験がすごくよかったのです。
その後の買い物では、「本当に欲しいのはどれか?」と考えられるようになっていきました。


●「タイミング」は日常の中にある

スタートのきっかけは、特別なものでなくて大丈夫です。

  • 自分で買い物してみたいと言ったとき
  • お年玉やお釣りに興味を持ち始めたとき
  • 親の買い物の様子をじっと見ているとき

そういった「サイン」を感じたら、
まずは少額から「自分で選んで使う」経験をさせてみるのがおすすめです。

おこづかいは、単に「お金を渡すこと」ではなく、
選ぶ→使う→反省する→また考える”というプロセスを経験させる教育なのだと感じています。

2. 金額はいくらが適切?【年齢別の目安と考え方】

「おこづかいって、いくら渡すのがいいの?」
これも親が一度は迷うポイントですが、実は“金額”よりも“考え方”のほうが大切です。

まずは参考として、年齢別の目安をご紹介します。


● 年齢別の目安(一般的な例)

学年月額の目安ポイント
小1〜小3月300〜500円買い物体験の入門として、少額からスタート
小4〜小6月500〜1000円自分で管理し、使い方を考える段階に
中学生月1000〜3000円友達づきあいや必要経費も含まれることが増える
高校生月3000〜5000円以上通学・スマホ・交際費なども対象になりやすい

この表はあくまでも目安
大切なのは、家庭の方針と子どもの性格に合っているかどうかです。


● わが家の体験:金額より「相談する姿勢」

うちでは、最初のおこづかいは「月500円」から始めました。
それでも最初はすぐに使ってしまい、「もうないの?」「あれが欲しい」と言うことも多く…。

でも私は、「じゃあ来月までどうする?」と聞いて、
子ども自身が考える時間を作るようにしました。

そのうち、少しずつ「全部使わないで、残しておこう」という行動が見えてくるように。
一度、自分で“予算オーバーして失敗した体験”があったからこそ、
子どもなりに考えるようになったのだと思います。


● お金の「見える化」で学びが深まる

実際に金額を渡す際には、以下のような工夫もおすすめです。

  • おこづかい帳を一緒に記入する
  • 「何に使ったか」だけでなく、「どう感じたか」も書いてみる
  • 100円玉や50円玉など、あえて小銭で渡すことで「数える力」もアップ

また、親も「今月どうだった?」「来月はどうしたい?」と対話する時間を持つことで、
金額以上に**“お金の使い方”を考える習慣**が自然と育っていきます。


おこづかいの金額に正解はありません。
大切なのは、“自分で使う・決める・反省する”というサイクルの中で学ぶことです。

3. 渡し方には工夫を!おすすめ3パターン

おこづかいは、**「いくら渡すか」よりも「どう渡すか」**でその効果が大きく変わります。

目的は単に“お金を持たせる”ことではなく、
「お金を通じて考える力・責任感・工夫する心を育てる」こと

ここでは、家庭で取り入れやすい渡し方の3つのスタイルをご紹介します。


(1)定額制(毎月〇円)

最もシンプルで定番の方法。
毎月決まった日に一定額を渡すことで、「管理する力」や「計画性」が身につきます。

● メリット

  • お金が“有限”だと理解できる
  • 先を見越して行動する力が育つ
  • 家計管理の疑似体験になる

● わが家の例

我が家でも最初は定額制(月500円)でスタート。
月の途中で「もう使っちゃった…」と嘆くこともありましたが、
「次のおこづかいまでどう過ごすか」を子どもが考えるようになっていきました。

失敗した時こそ、子どもにとっては大きな学びになると感じました。


(2)成果報酬制(手伝い1回○円)

お手伝いや行動に対して報酬を与える方法です。
「お金は働いて得るもの」という意識が育ちやすくなります。

● メリット

  • 労働=報酬という価値観を育てられる
  • お金のありがたみを実感しやすい
  • 働くことへのモチベーションにつながる

● 注意点

ただし、「お金をもらえないと動かない子」になるリスクも。
我が家では「特別なお手伝いだけ」「不定期で」といったルールにして、
日常の手伝いは“家族の一員として当たり前”という区別をつけています。


(3)ミッション・ボーナス制(目標達成型)

「今月の目標を達成したら+100円」など、
自己管理や挑戦の要素を取り入れる方法です。

● 例:

  • 毎日30分読書できたら+100円
  • 挨拶や身支度を自分でできたら+100円

● メリット

  • 習慣づけのきっかけになる
  • 自分の行動と結果が結びつく
  • お金以外の目的意識も育つ

この方法は、お金だけでなく達成感や自己肯定感も得られるので、
低学年のお子さんにもおすすめです。


📝 わが家の渡し方まとめ

我が家では最初は【定額制】で始め、
途中から「今月の読書目標が達成できたら+α」という【ボーナス制】を組み合わせました。

そうすると、子どもも「頑張れば増えるんだ」とうれしそうにして、
達成すること自体が楽しみになっていたようです😊

4. おこづかいで育てたい3つの力

おこづかいは単なる「お金のやりとり」ではありません。
日常の中で、お金の使い方を経験しながら、子どもは大切な“生きる力”を育てていきます

ここでは、私が実際におこづかいを通じて子どもに育ってほしいと感じた
**「3つの力」**をご紹介します。


① 計画する力

お金が手元にあると、ついすぐに使いたくなるのは大人も子どもも同じ。
でもそこから、「全部使うと、次に欲しいものが買えない」
「今、必要?来週も使いたいんじゃない?」
先を見越して考える力が少しずつ身についていきます。

最初は失敗の連続でも大丈夫。
うちの子も、最初に全部使って「もうないの!?」とショックを受けてから、
「半分残しておこう」と自分なりに工夫を始めました。


② 選ぶ力

限られたお金で「どれを買うか」「買わないか」を決めることは、
自分で選ぶ力=人生の意思決定力にもつながります。

子どもがスーパーで真剣に悩んでいる姿、見たことありませんか?
「これにする」「やっぱりやめる」「また来よう」
そうやって自分で選んだものには、責任と満足が伴います。

我が家では、たまにコンビニで「今日は好きなものを一つ買っていいよ」と伝えると、
子どもなりに本気で悩み抜いて、「これにする!」と決めた後は、本当にうれしそうです。


③ 感謝の気持ち

お金は、自分で働いて得るもの。
小さいうちはまだ稼げないけれど、「おこづかいは親が渡してくれているもの」と理解することも、
自然と感謝の気持ちにつながります。

また、お年玉やプレゼントをもらったときも、
「おじいちゃんがくれたんだよ」「おばちゃんが働いて稼いだお金だよ」と話すことで、
誰かの働き”と“お金”が結びついて見えてくるようになります。

わが家では、「いただいたお金は“ありがたくいただく”ものだよ」と伝えるようにしています。


おこづかいの時間は、
ただの「消費」ではなく「選択の時間」
✔ ただの「使う」ではなく「育つ」きっかけ

子どもが使う100円には、親が想像するよりも深い学びがつまっているのかもしれません。

5. まとめ|おこづかいは親から子への“人生のレッスン”

おこづかいには、これといった正解はありません。
「いつから?」「いくら?」「どう渡すか?」──それぞれの家庭で、子どもの成長や性格に合わせて決めていくものです。

ただひとつ、共通して言えるのは、
おこづかいは単なる“お金のやりとり”ではなく、親から子への大切な人生のレッスンだということ。

私自身、小さい頃にお金がなくて苦労した経験がありました。
でも、それなりに楽しく、工夫しながら過ごした日々は今も心に残っています。

そして今、自分が親になって、子どもに何不自由ない環境を与えられるようになって思うのは──
「お金があること」は安心や選択肢の広がりを生むけれど、
それ以上に「どう使うか」の知恵や価値観こそが、人生を支えてくれる
ということです。


ある日、子どもにコンビニで好きなものを買わせたことがありました。
「ちょっと高くついたな…」と一瞬モヤっとしたけれど、
「今日は自分の好きなものを選んで、満足そうだったな」と思い直しました。

家計を管理しているからこそ、“たまにはいいよね”と思えるゆとりがあり、
それは「お金を使う力」もまた、育ってきた証拠なのかもしれません。


🍀 おこづかいの本当の目的は…

  • 計画的に使う力
  • 自分で選び取る力
  • 感謝の気持ちを育てること

つまりは、“お金”を通して子どもが人生を自分で切り開いていくための練習の場なのです。

焦らず、失敗も楽しみながら、
親子で一緒にお金と向き合っていけたら──
それがきっと、一生モノの学びになります。

この記事が少しでも皆様のお役に立てると嬉しいです。

お金に関するおススメ書

子どもにお金をかけるのは、やめなさい(横山光昭 著・POD版)


マンガで覚える 図解 おこづかいの基本(八木陽子 著)

『10才からのお金の貯め方・つかい方』

子どもが自分のお金をどう使い、どう貯めるかを学ぶための入門書として最適です。マンガ形式で読みやすく、電子マネーや税金など現代のお金事情も取り上げており、親子で楽しく金銭教育ができます。





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