1. あの日、また母の様子が変だった──まさかの2度目の脳梗塞?
「今日はなんだか元気がないね」
夕方、母の様子に違和感を覚えました。いつもより口数が少なく、食欲もありません。寒さのせいかな?と深く考えずにいたのですが、夜になると母が小さな声で言いました。
「なんだか足が上がらないの…」
以前、母は右半身の麻痺を伴う脳梗塞を経験しています。まさか、また?と頭をよぎりました。でも、前回と違って今回は倒れているわけでも、顔が歪んでいるわけでもありません。ただ、「何となく変」…それだけでした。
そのまま様子を見るべきか、救急を呼ぶべきか――私には判断がつきませんでした。
2. 救急相談ダイヤルへ電話──その一言が背中を押してくれた
迷った末、地域の救急相談窓口に電話しました。いわゆる「#7119」などの緊急性を判断する窓口です。電話口に出たのは看護師さんでした。
母の症状を伝えると、すぐにこう言われました。
「今すぐ救急車を呼んでください。可能性があります」
その一言でようやく背中を押され、真夜中に救急車を呼びました。救急隊の方も丁寧に対応してくださり、すぐに病院へ搬送されました。

3. 診断結果は軽度の脳梗塞──でも、油断できない再発の現実
病院での診断結果は「小さな血管の詰まりによる脳梗塞」。今回は左側でした。前回は右側だったため、「両方動かなくなるのでは」と不安が募りました。
幸い、今回は発見が早く、影響も最小限で済みました。医師からも「対応が早かったのが良かった」と言われ、胸をなでおろしました。
4. 初期症状を見逃さないために──“何となくおかしい”が大事なサイン
あの時、救急相談に電話していなかったら、母の後遺症はもっと重かったかもしれません。
・顔の歪み ・片側の手足のしびれや麻痺 ・ろれつが回らない ・立ち上がりにくい、ふらつく
こうした症状は、どれも脳梗塞の初期サインです。でも、はっきりと出るとは限りません。私が気づいた「元気がない」「足が重そう」という変化も、立派なサインだったのです。
5. 再発予防と心構え──介護者にできること
脳梗塞は再発の多い病気です。
・塩分を控えた食事 ・水分をこまめに取る ・血圧管理 ・適度な運動
こうした生活習慣の見直しが欠かせません。でも、介護をする家族がすべてを抱え込むのは無理があります。
プロの力を借り、制度を活用する。 そして「迷ったら相談する」習慣をつけることが、本当に大切だと学びました。
6. まとめ──救急車を呼ぶか迷ったら、まずは相談を
あの夜、救急相談窓口に電話していなかったら…と思うと、今でも背筋が冷たくなります。
「ちょっと様子が変」「何となく気になる」
そんな直感は、介護をしている家族だからこそ気づける大事なサインです。
救急車を呼ぶ前に迷ったら、まずは専門の相談窓口に電話してください。あなたのその判断が、大切な人の命と未来を守ることにつながるかもしれません。
私の経験が、誰かの背中をそっと押すことになれば幸いです。
補足

✅ 救急相談窓口(#7119など)って何?使い方と注意点
救急相談窓口(#7119)とは、急なケガや病気の際に、「救急車を呼ぶべきかどうか迷ったとき」に相談できる公的な電話窓口です。
🔸 どう使うの?
- 電話で 「#7119」 にかけると、看護師などの専門スタッフが対応し、症状を聞いたうえで以下のように適切な判断をサポートしてくれます。
- 「すぐに救急車を呼んでください」
- 「明日、病院を受診しましょう」
- 「○○科の病院を紹介します」
🔸 使える時間は?
- 地域によって異なりますが、24時間対応の自治体が多いです。
- ただし、対応していない地域もあるため、お住まいの地域の情報を事前に確認しておくのが安心です。
🔸 注意点
- あくまで相談窓口であり、救急車の手配を直接行う窓口ではありません。
- 命の危険がある場合や、明らかな異常があるときは、迷わず119番に直接通報しましょう。
ひとこと
私も「救急車を呼ぶべきか迷った夜」に、この窓口のおかげで背中を押してもらい、結果的に母の命を守る行動につながりました。