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[脳梗塞]右半身麻痺の母の在宅介護が始まって──私が選んだ介護サービスと手続き

1. 介護が現実になった日

母の脳梗塞での治療をし、近くの総合病院へ転院しました。これからどうしたらいいのか分からずにいました。顔、腕、足などに右半身麻痺が残りました。それでもどうにか杖を使って歩くことができました。

そんな私にとって救いだったのが、「介護保険サービス」という存在です。
でも、最初はわからないことばかりで――。
「どこに相談すればいいの?」
「何から始めればいいの?」

このブログでは、私の実体験から、介護サービスをどう選び、どう活用したかをお伝えします。

目次

退院後にまず始めるべき手続き

2. どこに相談すればいい?最初の一歩は「地域包括支援センター」

退院後の生活や必要な手続きについて、病院の医療ソーシャルワーカーや相談窓口に相談しましょう。退院の見込みが説明されたら、できるだけ早めに準備を始めるのが望ましいです。

退院のタイミングで病院のソーシャルワーカーさんから勧められたのが、地域包括支援センターへの相談でした。
ここは、介護保険に関する情報の「総合窓口」のような場所です。
住んでいる市区町村ごとに担当エリアがあり、無料で相談できます。

  • 要介護認定の申請方法
  • ケアマネジャーをどう選ぶか
  • 利用できる介護サービスの種類
    など、基本的なことをここで教えてもらいました。
  • 介護保険の申請を行う
    自宅や施設で介護サービスを利用する場合は、お住まいの自治体で「要介護認定」の申請が必要です。認定までに1か月程度かかるため、早めの申請が大切です。

詳しく説明します。

介護サービスを自宅や施設で利用したい場合、まず「要介護認定」という手続きが必要です。これは「どれくらい介護や支援が必要か」を市区町村が判断するものです。

手続きの流れは次の通りです。

  • お住まいの市区町村の役所に行き、介護保険の申請をします。申請には、本人の保険証や身分証明書、申請書などが必要です。
  • 申請後、役所が日程を調整し、専門の調査員が自宅や病院に来て、本人の体の状態や普段の生活の様子を確認します。
  • その調査結果や主治医の意見書をもとに、市区町村が「どのくらい介護が必要か」を判定します。
  • 申請から結果が出るまで、およそ1か月かかります。

この認定が出て初めて、介護保険を使ったサービス(ヘルパー、デイサービス、訪問リハビリなど)を利用できるようになります。

3. ケアマネジャーとの出会いと、サービスの全体設計


  • ケアマネジャーの依頼
    介護認定後、地域包括支援センターなどでケアマネジャーを決めてもらいましょう。ケアマネジャーは、介護サービス計画(ケアプラン)の作成やサービス事業者との調整を行います。
  • 退院先の選択と調整
    自宅に戻るか、介護施設に入居するかを家族と相談し、必要に応じて施設探しや入居手続きを進めます。施設入居の場合は、健康診断書などの書類準備や面談も必要です。
  • 介護サービスの利用開始準備
    ケアマネジャーと相談し、訪問介護・リハビリ・デイサービスなど、本人の状態に合わせたサービスの利用準備を進めます。
  • 退院時の医師・看護師からの説明を受ける
    退院時には、主治医や看護師から症状や退院後の注意点、服薬・リハビリの指導を受けます。不明点はその場で確認しましょう。

その後、ケアマネジャー(介護支援専門員)が決まり、母の身体状況・家庭環境・希望などを踏まえて、
月に1回のケアプラン(介護サービスの計画)を立てることになりました。

この方との出会いが、介護生活の「安心感」につながりました。
親身になって話を聞いてくれて、「こういうサービスもありますよ」と、選択肢を提示してくれる存在でした。

まずは「病院の相談窓口に相談」し、「介護保険の申請」→「ケアマネジャーの依頼」→「退院先の選択」→「介護サービス準備」という流れで進めるのが基本です。退院後の生活が安心して送れるよう、早めの準備と相談が重要です。

4. 実際に利用したサービス一覧と、選んだ理由

ケアマネジャーさんと相談しながら、母の状態や私自身の負担を踏まえて、以下のようなサービスを選びました。熱心に話に耳を傾け母に寄り添って提案してくださりとても助かりました。


◆ デイサービス(通所介護)

【目的】
・リハビリ
・入浴や食事の介助
・社会的なつながりづくり

【選んだ理由】
家の近くだったことも選んだ理由の一つ。母が以前リハビリを頑張っていたこともあり、「もう一度外で頑張りたい」という本人の希望を尊重しました。
要支援2でしたので、週2回からスタート。


◆ 福祉用具レンタル

【レンタルした物】
スロープは初めからつけていましたので、それに合わせ手すりを追加しました。

歩行器は室内や外を歩くにも絶対必要でした。

・トイレに行くための手すり

【選んだ理由】
在宅生活に必要な用具を、介護保険の範囲内でリーズナブルにレンタルできるのはありがたかったです。
福祉用具の業者さんが定期的にメンテナンスにも来てくれました。

◆ 訪問サービス

・髪を染めたり切ったりしてもらいました。


5. 使ってみてわかった!よかった点と、正直困った点

◎ よかった点

  • **介護の「全部を1人で抱え込まなくてよい」**という安心感
  • 母が「また人と関われること」を楽しみにするようになった
  • 福祉用具などで身体的負担が軽くなった

△ 困った点

  • サービス時間外のケア(夜間・早朝)がすべて家族が担う
  • 担当スタッフによって「相性の差」がある(伝え方を工夫)

「サービスを利用すればすべて解決」というわけではありませんが、
「頼れる部分は頼っていいんだ」と思えるようになったのは、私の中でとても大きな変化でした。

【補足】介護用ベッド、私は購入して失敗…今だからわかる「選び方」

母の在宅介護が始まった当初、私は「必要になるだろう」と思い、介護用ベッドを購入しました。
しかし今思うと、「少し先走ってしまったな…」というのが正直な感想です。

というのも、母は当時要支援2だったので、当時はリクライニング機能をそれほど必要としておらず、
普通のフラットな寝具でも問題なかったのです。

それに、購入価格が高額だったことも後悔の理由のひとつ。
介護ベッドは介護保険を使って月1,000円~2,000円程度でレンタルできるものが多く、
最初はレンタルにしておけばよかったと、今になって強く思います。

また、介護ベッドを選ぶ際は、
高さを調節できる(昇降式)機能があるものを選ぶのがおすすめです。
将来的におむつ替えや体位変換が必要になったとき、ベッドの高さを上げられることで、
介助者の腰への負担が格段に減るからです。

私のように「とにかく準備しなきゃ」と焦ってしまう気持ちはよく分かります。
でも、ケアマネジャーさんや福祉用具専門相談員さんに一度相談してから判断することを強くおすすめします。


6. まとめ:介護サービスは「選びながら育てる」もの

母の在宅介護が始まった時、
私は「この先どうなるんだろう」と不安だらけでした。

でも、ケアマネさんや訪問スタッフさんとの関わりの中で、少しずつ学び、少しずつ慣れていきました。

介護サービスは、「一度決めたら終わり」ではありません。
生活の変化に合わせて、見直していくものだと今は感じています。

そして、一番大切なのは、本人の声を聞くこと。

母の「ありがとう」「おいしかった」という言葉が、今の私の原動力になっています。
さらに母自身も、
「自分でできることは自分でする」というスタンスで、
右腕や右足のリハビリを兼ねて日々努力しています。
食事も家庭菜園も、すべて左手で。
その姿に、私も何度も勇気をもらっていました。デイサービスを利用しながらどんどん生活復帰に向けて頑張っていた母でした。

左半身を使い頑張っています。


次回は、在宅介護で「揃えてよかったもの」お話ししようと思います。


どうぞお楽しみに。


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